喉、故に戦国時代
今、喉の中で熱き戦が始まった。
咳 VS 喉痛 VS 睡魔
戦の開幕は咳が喉に放ったこの一言だった
「ゴホン」
以前より隣国の喉に攻め入ろうと目論んでいた風邪菌と咳が裏で手を組んでいたことには薄々気付いていた喉ではあったが、
先日、喉国の宴「カラオケ」の後を攻め込まれた。
国を挙げての宴故に、その時ばかりは国境警備も手薄になっていた喉であった。
一気に攻め込む風邪菌、勢いを増す咳。
喉の得意戦術「イソジンうがい」も、風邪菌の分厚い兵数には歯が立たず衰退の一途を辿る。
しかし、ここで黙っていないのが喉の同盟国「睡魔」である。
名策士率いる睡魔軍はこれまでも「テスト前の追い込み」や、「夜更かしした日の翌朝」など、数々の戦に勝利してきた。
以前より不仲である咳国の戦力が喉に傾いたこのタイミングを名策士率いる睡魔軍が見逃がすはずがなかった。
元より、咳国の兵数は多くはない。この度の戦で咳国が喉に勝っていたのは風邪菌の働きが大きいことに気付いた睡魔軍はここである作戦を実行する。
それが「エスタックイブ」だ。
エスタックイブには喉痛、風邪によく効くだけではなく、睡魔軍を盛り上げる成分まで含まれているのだ。
風邪菌の熱は徐々に冷め始め、睡魔軍は益々勢いを増していく。
しかし咳軍の勢いは落ちることはなかった。
もう目を瞑って3数えれば眠れそうなほど、睡魔軍は勢いを増していたが咳軍はそれを阻止し続けた。
睡魔を阻止すれば、風邪菌はまたたて直せる。
咳軍が得意とする夏独特の長期戦を持ちかけてきたのだ。
しかし、これも睡魔軍は計算済みであった。睡魔軍が元より咳軍との戦の為だけに用意していた戦術「のど飴」を投下したのだ。
流石に咳もこれには手も足も出なかった。
タケノウチ喉元三国志。
この戦国の世を勝ち抜いた睡魔に言いたい。
おやすみなさい。
風邪をひいたら睡眠とるのが一番です。
みなさん夏風邪にはご注意を。